こんにちは、Velo’s blogです。
球速を出すには、「トリプルエクステンション」の強さが大きく関わってくると思いますが、トリプルエクステンションはジャンプや短距離のダッシュをする際に分かりやすく起こります。
ということで、今回は「144km/h以上出す投手の瞬発力種目の記録」、主にTop Velocityでトレーニングしている選手の瞬発力種目の数値を紹介していきたいと思います。
前回の記事 144km/h以上出す投手達のウエイトトレーニングの数値|Top Velocityの選手の数値を調べてみた をまだ読んでいない人はそちらも是非お読み下さい。
今回紹介する瞬発力の種目はこちらの3種目です。
- 垂直跳び
- 立ち幅跳び
- 10ヤードダッシュ
それでは早速、見ていきましょう。
目次
144km/h以上出す投手の瞬発力種目の記録
垂直跳び(144km/h以上の最高球速を持つ18名の投手)
まず、垂直跳びの数値はこのようになりました。
若干ですが、球速が150km/hに満たない投手たちの数値の方が高いように見えます。
投手の球速別に表を作ってみたところ、このようになりました。
球速 | 垂直跳び平均 | 最高 | 最低 |
150~160km/h | 80cm | 95.3cm | 71.1cm |
144~149km/h | 82.9cm | 93.9cm | 77.2cm |
平均で80cm越え、最高記録は95.3cm、93.9cmとまさに「フィジカルエリート」ですね。
高校生や大学生であれば、垂直跳びは70cmを超えればまあまあ高い方だと思っていましたが、そんなことは無さそうですね。
また、平均値で見ると、先程書いたように149km/h以下の投手の方が、高い数値を記録していることが分かります。
ですが、ここで前回の記事(144km/h以上出す投手達のウエイトトレーニングの数値|Top Velocityの選手の数値を調べてみた) にて、球速が150km/h~160km/hの投手の方が平均体重が重いという結果になっていたことを思い出しました。
そこで、地面から真上にジャンプする垂直跳びでは、重力の影響をもろに受けやすい為に平均値に差が出ているのではないかと思い、垂直跳びの数値でグループ分けをしてみました。
それが下の表になります。
垂直跳び | 平均体重 |
80cm以上 | 95kg |
80cm未満 | 106.4kg |
案の定、80cm以上跳べている選手は平均体重が95kg、80cm未満の選手は106.4kgという結果になりました。
やはり垂直跳びでは、体重の重さが記録に大きく影響してくるのだと思います。
一応、垂直跳びの記録と体重を比較できるように、数値の一覧を載せておきます。
(垂直跳びの数値の高い順に並んでいます。)
垂直跳び | 球速 | 体重 |
95.3cm | 151km/h | 107.5kg |
93.9cm | 146km/h | 76kg |
86.4cm | 154km/h | 106.6kg |
86.4cm | 155km/h | 88.4kg |
86.4cm | 151km/h | 98.9kg |
86.4cm | 156km/h | 102kg |
83.8cm | 144km/h | 78.9kg |
82.6cm | 148km/h | 98kg |
81.3cm | 146km/h | 99kg |
78.7cm | 146km/h | 98.7kg |
78.5cm | 154km/h | 110kg |
77.2cm | 148km/h | 105kg |
77cm | 154km/h | 113.4kg |
74.7cm | 154km/h | 115kg |
73.7cm | 150km/h | 106.6kg |
72.4cm | 153km/h | 105kg |
71.1cm | 160km/h | 107.5kg |
71.1cm | 153km/h | 96.6kg |
立ち幅跳び(18名)
球速 | 立ち幅跳び平均 | 最高 | 最低 |
150~160km/h | 286cm | 317cm | 246.4cm |
144~149km/h | 282.5cm | 309.9cm | 259.1cm |
こちらは、球速と立ち幅跳びの記録を表にしたものです。
立ち幅跳びでは、垂直跳びとは異なり、150km/h~160km/hの投手の方が平均値が高くなっています。
これは、あくまでも自分の予想ですが、立ち幅跳びは真上ではなく前へ跳ぶ種目なので、体重の影響が多少小さくなった為ではないかと思います。
それにしても、立ち幅跳びの記録のそれぞれの最高が317cm、309cmと共に3m越えというのは驚きですね。
僕の肌感覚ですが、立ち幅跳びで280cm跳ぶことができれば上の中くらいの数値だと思っていましたが、垂直跳びと同様、Top Velocityの中では平均もしくはそれ以下の数値ということらしいですね。
また、最も数値の低い246.4cmの記録を出した選手は、球速160km/hを出す選手です。
160km/h出す投手がこの記録で「意外と低い記録なんだな」と思いますが、そもそも体重が107.5kgもあるので、この記録を見て「俺は250cm跳べるから大丈夫だ」のように考えることは、少し危険だと思います。
10ヤードダッシュ(17名)
球速 | 10ヤード平均 | 最速 | 最遅 |
150~160km/h | 1.59秒 | 1.37秒 | 1.8秒 |
144~149km/h | 1.54秒 | 1.47秒 | 1.62秒 |
10ヤードダッシュはこのような感じです。(ちなみに10ヤードは9.144mのことです。)
144km/h~149km/hのグループの方が平均で0.05秒早いという結果になりました。
平均で見ると「ほとんど同じ数値になった」と言えなくもないですが、各グループの最速と最遅の数値の差を見てみるとどうでしょうか。
- 150km/h~160km/hのグループの最速と最遅の差が0.43秒
- 144km/h~149km/hのグループの最速と最遅の差は0.15秒
というようになります。
このことから、144km/h~149km/hのグループの投手は全体的に10ヤードダッシュが速く、150km/h~160km/hのグループは、選手によって遅い、速いに大きく分かれるのではないかと予想しました。
この予想は、上の散布図でそれぞれの数値を確認してみると、おおよそ当たっていると言えそうです。
こういったことを踏まえ、150km/h以上の最高球速を持つ投手を見てみると、150km/h以上の球速を出す投手は以下のようなタイプに分かれるのではないかと思いました。
- 跳躍系の種目や一瞬の走力は(Top Velocityの中では)やや劣るが、その分体重(質量)がある
- 体重(質量)では(Top Velocityの中では)やや劣るが、その分跳躍系種目や10ヤード走などの爆発力に非常に優れている
一方、144km/h~149km/hの選手たちはと言うと、体重が軽い上、爆発力の種目において、ある程度優れてはいるものの、「非常に優れている」とまでは言えない能力であることから、150km/h以上の記録を出せないのではないかと思いました。
もちろん、球速を出す為の要素はこれらの数値だけではなく、柔軟性や投球メカニクスも大きく関わってくるので、断言はできませんが、球速が速いのにも関わらず、あまり瞬発力系種目の記録が良くない投手がいるというデータに関して、僕の個人的な考えでした。
144km/h以下の投手の数値も含めたグラフを紹介
ここまで、144km/h以上を投げる投手たちの数値の平均などを計算しながら見てきましたが、144km/h以下の投手たちの記録も含めたものがこちらです。
以前、ピッチャー必見!家や公園で可能なおすすめ球速アップトレーニング|科学的なデータも交えて紹介 の記事でも紹介しましたが、非常に参考になるかと思います。
垂直跳び
立ち幅跳び
10ヤードダッシュ
自分の現在の数値とも比較しながら、是非参考にしてみてください。
144km/h以上出す投手の瞬発力種目の記録まとめ
いかがだったでしょうか。
前回の 144km/h以上出す投手達のウエイトトレーニングの数値|Top Velocityの選手の数値を調べてみた の記事と同様に、全体的に見てMax144km/h以上投げる投手、特に150km/hを超えてくる体重が軽めの投手の身体能力は半端ではなかったですね。
さすが、フィジカルエリート達です。
トリプルエクステンションの強さはピッチング中の「並進運動の強さ」や「着地足の伸展」の動作に大きく関わってくると思います。
ですので、是非今回紹介した数値を1つの目安にしてトレーニングを組んでみてください。
身体能力が根本的に向上し、球速アップに大いに貢献するのではないかと思います。
ちなみに、下半身のウエイトトレーニングや瞬発力に関する記事も過去に書いているので興味のある方は是非読んで下さると嬉しいです。
今回も最後まで読んで下さり、本当にありがとうございました。
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それではまた。