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速球投手の軸足の使い方|強い推進力を生み出す方法

更新日:

こんにちは、Velo’s blogです。

以前 球速アップの為のロードマップ|投球フォームと身体作りの方法を解説 にて、軸足は「前への推進力を生み出す為に使う」ということを解説しました。

そこで今回は、前への推進力を生み出す為の具体的な軸足の使い方について解説していこうと思います。

 

 

それでは早速いきましょう。




球速アップの為の軸足の使い方|膝を残すべき

冒頭でも書きましたが、軸足は並進運動の際に前への推進力を生み出す為に使うと 球速アップの為のロードマップ|投球フォームと身体作りの方法を解説 の記事にて書きました。

 

 

そこで、前への強い推進力を生み出す為には、単に「前へ流れる(倒れる)」ように並進するのではなく、軸足がしっかりと出力し

「前へ流れる(倒れる)ような力」+「軸足のトリプルエクステンション」

という2つの力を使うことが必要になってくると思います。

 

そして、自然に前へ流れながらも軸足でもしっかりと出力する為には、膝がプレート上に残っている必要があります。

 

このようなイメージです。

 

軸足の膝がプレート上に残り、すねの角度が垂直に近い状態であることが分かります。

 

このように上半身(骨盤より上)はプレートよりも前に位置しながら、軸足の膝をプレートの上に残すことで、強い並進を引き出す準備をしています。

 

 

 

MLBの速球投手に多く見られる膝の使い方

この「軸足の膝をプレート上に残す」という足の使い方はMLBの速球投手に多く見られます。

上から

  • Jordan Hicks投手…Max105mph(169km/h)
  • Aroldis Chapman投手…Max105mph(169km/h)
  • Noah Syndergaard投手…Max101mph(163km/h)

の投球フォームです。

 

一瞬ですが、3選手とも軸足の膝がプレート上に残るフェーズがあることが確認できると思います。

 

このようにMLBの速球投手たちは、並進運動の初期に軸足の膝をプレート上に残し、並進運動の後期に一気に伸展させることで、力強い並進運動を可能にしています。

 

ここからは「なぜ膝を残すと強い並進が可能になるのか」について解説していこうと思います。

 




 

速球投手たちが軸足の膝を残す理由

MLBの速球投手たちが、なぜ膝を残しながら並進しているのか。

僕の考える理由はこの2つです。

 

  • ヒップヒンジを使える
  • トリプルフレクション

 

 

 

ヒップヒンジ

まずヒップヒンジとは、股関節を屈曲させて体を折り曲げていくことですが、ヒップヒンジを使えている状態は「股関節を使えている=ケツの筋肉を使えている状態」とも言えると思います。

なので並進運動の際にも、このヒップヒンジを活用することが出来れば、より大きな力を発揮できることに繋がります。

そして、並進運動時にヒップヒンジを使うためには軸足の膝を残し、ワイドスクワットの片足バージョンのような姿勢を作ればよい訳です。

 

〈ワイドスクワットのイメージ〉

 

 

ワイドスクワットをする時に膝が内側に入っていたら、ケツは使えず、大きな力を出せないですよね。

足幅の広いワイドスクワットでも、すねが垂直に保たれていることで股関節を使うことができ、より大きな力を発揮できます。

 

 

 

トリプルフレクション

並進運動の際に軸足の膝をプレート上に残すことは、トリプルフレクションを起こすという視点から見ても良い動作だと思います。

 

トリプルフレクションとは、トリプルエクステンションの逆で、下肢三関節(足首、膝、股関節)が同時に曲がっている状態のことを言います。

 

トリプルフレクションから一気にトリプルエクステンションに移行していくことで、体全体が急発進し、強い並進運動が可能になります。

 

 

また、実際にやってみると分かりますが、体がホーム方向へ流れながらトリプルフレクションを作るには、軸足の膝をある程度残す必要があります。

すねが内側に倒れながらでも膝を曲げることは可能ですが、そこから伸展するとなると、強く伸展できなくなってしまいます。

 

 

 

 




 

軸足の膝を残す際のポイント

ここまでは主に、軸足の膝を残すメリットについて解説してきました。

ここからは、実際のピッチング動作に落とし込んでいく際の注意点について書いていこうと思います。

 

僕が思う注意点はこの2つです。

 

  • 「残そう」とはせず、「軽くバウンドさせる」イメージ
  • すねの角度(膝の残し具合)は個人差がある

 

 

「残そう」とはせず、「軽くバウンドさせる」

まず、「残そう」とはせず、「軽くバウンドさせる」、ということですが、これは「無意識に」膝が残るようにする為のイメージです。

意識的に「残そう残そう」とすると、フォームがぎこちなくなったり、逆に並進が弱くなってしまったりします。

 

そこで、意識的に残そうとするのではなく、軸足で軽くバウンドするように並進するようにすると、丁度良く膝が残り、なおかつ並進も強く行えるようになると思います。

より自然に「トリプルフレクション→トリプルエクステンション」の切り替えが起こり、スムーズかつ強い並進運動をすることができるようになるということですね。

 

※補足

初めは多少上下にバウンドしても良いですが、上下にバウンドすると上方向へ力が働き、上へ投げる形になってしまいます。なので、慣れてきたら上下の動きを小さくして、バウンドさせた力を横方向に力を転換できるようになると良いと思います。

 

 

角度は個人差がある

2つ目の注意点は、「軸足を残した際のすねの角度は選手によって異なるということです。

 

先程挙げたHicks投手とChapman投手を比べても分かるように、選手によって膝の残し具合には若干の差があります。

あくまでも「過度に」膝が内側に入ってしまうことが良くないのであって、若干内に倒れていても強く伸展することが出来ている投手もいます。

 

今まで解説してきたことと矛盾するようですが、肝心なのは「膝が残っている、残っていない」ということではなく、「軸足のトリプルエクステンションを最大源活かせているか」ということなので、多少膝が内に倒れていても「トリプルフレクション→トリプルエクステンション」のフェーズがあって球速が出ていれば問題無いと思います。

 

 

とはいえ、軸足が早い段階から内に倒れてしまってパワーをロスしている選手も多いと思うので、球速の出ていない場合にはすねの角度をチェックすると良いと思います。

 




 

球速アップの為の軸足の使い方まとめ

いかがだったでしょうか。

今回は「球速アップの為の軸足の使い方」について解説してみました。

日本の投手は並進運動の早い段階から膝が内に入る投手が多く、今回紹介した「膝を残す」ような投げ方はあまり馴染みのないものかもしれませんが、個人的には強い並進運動を行うためには必須の動作だと思います。

 

僕がおすすめした「軽くバウンドさせる感覚」を試してみても良いですし、自分で他の感覚を見つけるのも良いと思います。

(個人的には、この記事の中で取り上げた3選手の動きを真似するのがおすすめです)

 

是非、軸足の力を最大限使えるよう工夫してみてください。

 

 

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。

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それではまた。

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