こんにちは、Velo’s blogです。
今回は、前々回の記事ピッチャーの下半身の使い方|球速を出す為の着地足の使い方の続編として、着地足を有効に使えるようになる為の具体的な練習方法を紹介していこうと思います。
今回の記事は、練習メニューの紹介とその解説になっておりますので、理論的な事に関しましては、前々回の記事ピッチャーの下半身の使い方|球速を出す為の着地足の使い方を読んで頂くようお願いします。
それではさっそく行きましょう。
目次
球速アップの為の下半身の使い方|着地足ドリル紹介
着地足ドリルに取り組む前の注意
まず初めに、着地足のドリルに取り組む前に習得しておくべき動作があるので、そちらから紹介させて頂きます。
着地足のドリルに取り組む前に習得しておくべき動作とは、
腹筋でボールを加速させる動作
です。
「着地足→体幹→指先」というように力を伝えられるようになる為には、そもそも体幹から指先へ力を伝達することが出来ていなければいけません。
「体感から指先」へ力を伝達させることをマスターしてから、「着地足→体幹→指先」のステップへ、というように段階を踏みながら練習していくと良いと思います。
そこで、腹筋から指先へ力を伝えられるようにするドリルがこちらの動画の1つ目のドリルです。
動画で解説されているように、両足を揃えた状態から腹筋で指先を加速させるようにメディシンボールを投げていきます。
両足を揃えた状態でメディシンボールを投げることで、腹筋の加速にフォーカスしてトレーニングを行うことができます。
このドリルをある程度やり込み感覚を掴んだら、これから紹介する着地足のドリルへと移行して行きます。
球速アップの為の着地足メディシンボールドリル
先程紹介したドリルで、指先を腹筋で加速させる感覚を掴んだら、次は着地足の力も利用して指先を加速させていきます。
着地足のドリルも以下のような段階を踏んで習得を目指していきます。
①あらかじめ着地足を前に出した状態から始めるドリル
↓
②数歩の助走を取り、その勢いを着地足で受け止め、リリース
↓
③実際の投球動作に近づけ、「軸足推進から着地足伸展」で投げる
このように段階を踏んで練習していくことで、確実にスキルを習得できるようにします。
それではここから、それぞれのドリルの解説に移っていこうと思います。
メディシンボールドリルNo.1
まず第一段階のドリルはこちらです。
〈着地足を使ってボールを加速させる、という感覚が分からない人向け〉
上半身を後ろにセットしておき、お腹から前へ動き出します。
リリース直前に、着地足で地面を押し込むように力を入れる感覚です。
タイミングが命なので、指先が走る感覚を探しながらやってみてください。 pic.twitter.com/TGJmGMQNXd— 投げ屋 (@throwhard67) February 24, 2020
このドリルのポイントは
- 腹筋も使って投げること
- 着地足の膝を使うのではなく、ケツを使うように
主にこの2点。
また、単に足を突っ張って投げてしまうことを防ぐ為、「リリース後」に着地足を伸展させるくらいの感覚でも良いと思います。
メディシンボールドリルNo.2
そして第二段階のドリルがこちらです。
〈メディシンボール投げ〉
個人的に球速アップに直結したおすすめのドリル・着地足伸展で起きる地面からの反発を手のメディシンボールへ上手く伝える
・引き伸ばされた腹筋をリリースのタイミングに合わせて収縮させ、手を走らせる同じ感覚で野球ボールも投げれば必ずボールはいきます。 pic.twitter.com/e9gZfL011k
— 投げ屋 (@throwhard67) February 4, 2020
このドリルは、何歩か歩いて勢いを付け、その勢いを利用してボールを投げます。
勢いが付いている分、前への推進力があるので、着地足の伸展の際に指先が走っている感覚が分かりやすいと思います。
このドリルの注意点は、
- 着地足で投球方向とは逆向きの力を発生させる
- 早い段階で上半身が突っ込まないようにする
- 着地足伸展の反動でボールをリリースする
の3点です。
こうすることで、後方から体幹や指先が走ってくると思います。
メディシンボールドリルNo.3
メディシンボールの最後のドリルがこちらです。
「軸足での推進→着地足伸展でボールを投げる」
というのが、ピッチングの根本だと思うけど、その原理を簡略化し、体の使い方を習得するためのドリルがこれ。
注意点は、頭が突っ込まないようにすること。
そうすれば加速距離を確保でき、着地足伸展の力を最大限使える。
pic.twitter.com/Jlh3J2NRd8— 投げ屋 (@throwhard67) April 24, 2020
このドリルは、先程は助走を付けて生み出していた推進力を軸足で生み出し、着地足でその力を受け止めるというよりピッチングに近いドリルとなっています。
ちなみにTop Velocity ではこのドリルで、
- 2ポンド(約900g)
- 8インチ(約20cm)
のボールを使い、40mph(約64km/h)の速さで投げられるようになることが一つの目標になっているようです。
Top Velocityで使用されているボール
なぜこのボールが良いかと言うと、2ポンドというメカニクスに支障が出ない重さに加え、8インチという両手で扱える大きさが肝心なのだと思います。
球速アップの為のピッチングドリル
ロッキングドリル
ここまでメディシンボールドリルを紹介して来ましたが、メディシンボールドリルの第二段階(ドリルNo.2)まで進んだら、実際の投球フォームに近いドリルも並行して行っていきます。
ここからはその、投球フォームに落とし込む為のロッキングドリルを紹介していきます。
ロッキングドリルNo.1
ロッキングドリルは、その名前の通り両足を地面に着け固定した状態からスタートし、下のイラストの様な流れで実際にボールを投げていきます。
このドリルでは、着地足を台に乗せることで着地足の股関節で体重を受け止めやすくします。
〈フェーズ1:スタート姿勢〉
まず初めに、着地足を高さ15cm程度の台に乗せます。(段差などを利用しても良いです)
〈フェーズ2:着地足股関節へ体重を乗せる〉
上半身を若干前へ移動させ、着地足の股関節に体重を乗せます。
ここで注意すべきポイントは、膝ではなく、股関節に体重を乗せることです。
〈フェーズ3:軸足股関節へ体重を乗せる〉
軸足股関節に体重を乗せ、軸足で進む為の準備をします。
〈フェーズ4:軸足推進&着地足伸展によりボールリリース〉
軸足股関節に体重を乗せた状態から、軸足のトリプルエクステンションにより並進していき、リリースのタイミングに合わせて前足を伸展させます。
この前足の伸展時には、フェーズ2で股関節に乗せた感覚と同じように、ケツ(股関節)で力を受け止めながら膝を伸展させていきます。
このロッキングドリルを通じて、腕に力はほとんど入れず、
軸足での推進
着地足の伸展
腹筋での加速
この3つの力でボールを投げるようにしてみて下さい。
ロッキングドリルNo.2(台無し)
ロッキングドリルNo.2は、ロッキングドリルNo.1と同じ動作を台を使わずに行います。
(同じ動作なので、イラストは省略させて頂きます)
ロッキングドリルNo.2は台が無い分、上半身が突っ込みやすくなるのでその点には注意しましょう。
球速アップの為の下半身の使い方|着地足ドリルに取り組む際の手順
僕が思う着地足ドリルに取り組む際の手順はこのような感じになります。
- 腹筋で指先を加速させる
- メディシンボールを使い、大きな力の出し方を覚える
- 実際の投球フォームに反映させていく
こういった手順を踏むことによって、段階的にスキルの習得を目指すことができ、上手くいかなかった場合にも、1つ前のステップに戻り、復習することによって着実にステップアップすることが出来るはずです。
また、野球ボールを使った技術練習に入る前の段階で、メディシンボールを使うことによって、
- 下半身や体幹等の大きな筋肉を使い、指先に大きな力を伝える練習ができる
- 両手でボールを扱うので腕が体から過度に離れることがなく、肩肘の消耗を抑えながら投球時に必要な動作を習得することが可能
といったメリットがあります。
ちなみにメディシンボールの重さは、
中学生以下であれば2kg以下、
高校生以上であれば3kg〜5kg程度で良いと思います。
このようにして、大きな筋肉を使って安全に末端の速度を上げる感覚が出来てから、実際の野球ボールを使って、投球動作に反映させていきます。
またピッチングはメディシンボールドリルとは異なり、片手でボールを扱うので、ロッキングドリルにはそうした感覚の違いを埋めるといった意図もあります。
球速アップ為の下半身の使い方|着地足で球速を上げる為の練習方法まとめ
いかがだったでしょうか。
少し補足説明をすると、着地足でボールを加速させるには、単に「ブロック」するのではなく、着地足を「伸展させる反動でボールをリリースする」という感覚の方が良いかもしれません。
※若干跳ねるような感覚かもしれません(実際には跳ねません)
少しでも着地足の使い方に悩んでいる投手の参考になれば幸いです。
もし「このドリル良いな」と思って頂けたら、Twitterで「いいね」や「リツイート」をしてくださると今後のブログ執筆の励みになります。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。
Twitter、Instagramもやっているので是非フォローお願いします。
それではまた。
着地足の使い方、理論編はこちら