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投手がウエイトトレーニングの計画を立てる際の注意点|筋肥大期などの期分けは必要?

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こんにちは、Velo’s blogです。

今回は、「投手がウエイトトレーニングで身体作りをする際の注意点|筋肥大期など期分けは必要?」といったテーマで記事を書いていこうと思います。




基本的なウエイトトレーニングの進め方|投手以外のスポーツ選手

はじめに、投手や野球選手ではなく、一般的なアスリートがウエイトトレーニングをする際の基本的な進め方と思われるものを解説していきます。

 

一般的にアスリートのウエイトトレーニングの進め方としては、

 

 筋肥大期→最大筋力期→維持期

 

というような感じで、期間ごとにセット数やレップ数などを変えながら、シーズンに向かっていくようになっています。※ピリオダイゼーションと言います。

 

当然、このように期分けしてトレーニングを組むのにはしっかりとした意味があります。

 

期分けをする理由

まずシーズンが終わった段階で、次のシーズンに向けて始めるのが筋肥大期になります。

この期間は一言でいうと、選手としてのポテンシャルを上げる為の期間です。

 

 

例えば、ある選手がもともと「100」の筋肉量を持っていて、そのうちの「60」の筋力を発揮できる状態だとします。

そこで、この選手が筋肥大期を作らずに、いきなり最大筋力期のトレーニングメニューを組んで、トレーニングしていくとどうなるでしょうか。

 

当然ですが、最大筋力期のトレーニングは筋肥大が目的ではないので、「100」ある筋肉量はほとんど変わりません。

その代わり、「60」だけしか発揮できていなかった筋力を「90」まで発揮できるようになります。

 

 

次に、筋肥大期を作った場合です。

この筋肥大期は筋肉量を増やすことにフォーカスしてトレーニングをしていくので、「100」あった筋肉が「150」に増えたとします。

この時点で発揮できる筋力は少しだけ上がっているので、「60」だった筋力も「70」になっているとします。

そしてこの期間で筋量を確保した後に、最大筋力期のメニューをこなしていきます。

そうすると、「70」しか発揮できなかった筋力を「135」まで発揮できるようになる、というわけです。

 

このように、筋肥大期を作り土台となる筋肉量をしっかりと増やすことで、後々最大筋力期に移行した際の「伸びしろ」を確保することができ、結果として、大幅な筋力アップが可能になるということです。

 

また、いきなり最大筋力期から始めるということは、初めから高重量のトレーニングをすることになります。

その場合、ウエイトトレーニングのフォームも固まっておらず、狙った筋肉にアプローチ出来ない、最悪の場合、怪我をするということも考えられます。

単純に筋肥大期の方がレップ数が多いので反復する回数が増えトレーニング動作も洗練されていきます。

 

 

こういった理由から、一般的なアスリートには、筋肥大期、最大筋力期それぞれの期間の利点を最大限活かす為に、期分けをすることが推奨されています。




投手の為のウエイトトレーニングの期分け

以上のように、ウエイトトレーニングの期分け(ピリオダイゼーション)の重要性について解説してきました。

ここからは「この期分けをピッチャーも採用するべきか」ということについて、書いていこうと思います。

 

 

さっそくですが結論から言うと、「基本的には採用する」という形で良いと思います。

「基本的には」という言い回しで、あいまいな表現になってしまいましたが、具体的にどのようにしていけば良いのかをこれから解説していこうと思います。

 

まず、「大幅な球速アップをする為に筋肉量を確保する」という意味では、筋肥大期は取り入れるものだと思います。

しかし、筋肥大期に取り組みながらもその期分けをはっきりと区別しないことをおすすめします。

 

 

 投手がはっきりと期分けをしない方が良い理由

筋肥大期は文字通り、筋肥大する為には非常に良い期間です。

しかし、この期間には1つデメリットが存在します。

それは、体が出力するのに2秒、3秒ほどかかってしまう体になってしまう可能性があるという点です。

いわゆる、velocity型、force型というように区別される状態です。

 

 

※velocity型、force型についてはこちらの動画が参考になるかと思います。(冒頭部分がvelocity型、force型の解説になっています)

 

 

簡単に説明すると、筋肥大期には「RFD(素早く力を立ち上げる能力)」というものが一時的に低下するという特徴がああるということです。

 

筋肥大期に「RFD(素早く力を立ち上げる能力)」が一時的に低下するということについては河森直紀さんのブログにて解説なされています。

#368 【論文レビュー】「筋肥大期」的な量の多いウエイトトレーニングを実施すると一時的にRFDが低下する

 

そうすると、「速い球を投げる」為には、非常に「高速な動作」をしなければならないにも関わらず、その「高速な動作」とは遠ざかった動きが習慣付いてしまいます。

そういったことを避ける為に、ウエイトトレーニングの期分けをしっかりとするのではなく、ぼんやりと期分けをしていくことが重要になってくると思います。

 

投手の為のウエイトトレーニング期分けの例

筋肥大期には「RFDが一時的に低下する」という特徴があるということが分かりました。

そこで、投手におすすめのウエイトトレーニングの期分けを紹介したいと思います。

このようになります。

 

「筋肥大優先期」→「最大筋力優先期」→「最大筋力維持期」

 

ここからそれぞれの期間について解説していきます。

 




筋肥大優先期

この期間は

  • 筋肥大系のトレーニング(8~12レップ×3~4セット)を8割程度
  • 最大筋力向上のトレーニング(3~5レップ以下×4~6セット)を2割程度

 

のような感じでトレーニングを組んでいくと良いと思います。

また、この2つに加え、ジャンプトレーニングやメディシンボール投げ、10m走などの負荷の軽い「スピードトレーニング」のようなものや、ハイプルなどのクイックリフトを取り入れておく方が良いでしょう。

 

 

 

こうした筋肉の収縮スピードの速いトレーニングを組み込むことで、「体が大きくなって素早い動きができなくなった」ということを防ぐことができます。

 

RFDが一時的に低下することを少しでも緩和させようということですね。

 

 

最大筋力優先期

この期間は、

  • 最大筋力向上のトレーニングを9割程度
  • 筋肥大系のトレーニングを1割程度

 

というように変えていきます。

この期間では筋肥大系のトレーニングはほとんどしなくても大丈夫です。

最大筋力向上のトレーニングをしていれば大幅に筋量が落ちることはまずありません。

 

また、この期間はレップ数が少ないので、体感として疲労がとても少なくトレーニングを行えることも利点です。

そして、この期間もジャンプやダッシュ、ハイプルなどを忘れずに継続していきましょう。

この期間は筋力も大幅に伸びているので、筋肥大期よりもこちらの期間の方が、瞬発力の伸びは良いと思います。

 

 

以上のように、「筋肥大期→最大筋力期」というものを、良い意味であいまいにしながら期分けしていくと良いと思います。

 




投手の為のウエイトトレーニング期分けまとめ

いかがだったでしょうか。

ウエイトトレーニングは上手く使いこなせば、自分のポテンシャルを1段階も2段階も引き上げてくれる良いトレーニングです。

しかし、やり方を間違えると、十分な効果を得られないどころか怪我をする可能性もあります。

しっかりと計画を立てて、レベルアップができるよう頑張っていってください。

 

今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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それではまた。

 

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