こんにちは、Velo’s blogです。
以前、球速アップの為のロードマップ|投球フォームと身体作りの方法を解説 にて、ピッチングの大まかな構造は、
軸足での強力な推進→着地足による急激な減速
と解説しました。
そこで今回は、軸足で生み出した推進力を上手く指先に伝える為の着地足の使い方を具体的に解説していこうと思います。
それではさっそく行きましょう。
目次
投手の下半身の使い方|着地足は伸展させるべき
冒頭でも書きましたが、以前、球速アップの為のロードマップ|投球フォームと身体作りの方法を解説 にて、ピッチングの大まかな構造は、
軸足での強力な推進→着地足による急激な減速
と解説しました。
軸足で生み出した強力な推進力を着地足でストップさせることで、上半身が「体幹→指先」と順に加速していきます。
そして、その際にロス無く推進をストップさせ、上半身に力を伝える方法が「着地足を伸展させる」という方法です。
〈イメージ〉
上のイラストのようなイメージでリリースのタイミングに合わせて伸展させ、ボールへ力を伝えていきます。
この着地足を伸展させる足の使い方は、MLBでも主流となっています。
MLBの速球投手たちにも見られる着地足の伸展
Marcus Stroman, Mechanics/Intent (scratchreel). #SRGif pic.twitter.com/cgd6JJ2fEw
— Rob Friedman (@PitchingNinja) May 21, 2017
Aroldis Chapman, front leg mechanics. pic.twitter.com/JeoMQDA50O
— Rob Friedman (@PitchingNinja) January 6, 2016
Jordan Hicks, Mechanics (rear view) pic.twitter.com/4NkpajcLLP
— Rob Friedman (@PitchingNinja) April 9, 2019
David Robertson, Mechanics (Side View) pic.twitter.com/KiMiFFHn5c
— Rob Friedman (@PitchingNinja) January 3, 2018
上から順に、
- Marcus Stroman…Max155km/h
- Aroldis Chapman…Max169km/h
- Jordan Hicks…Max169km/h
- David Robertson…Max155km/h
の投球フォームです。
4選手ともリリースのタイミングに合わせて着地足を伸展させていることが分かると思います。
ピッチャーの下半身の使い方|なぜ伸展させるべきなのか
MLBの投手をはじめ、速球派の投手に多く採用されている「着地足を伸展させる」フォームですが、なぜ伸展させると球速が出るのでしょうか。
僕の考える理由はこの2つです。
- 投球方向とは逆向きの力を受け取ることができる
- より大きな力を発揮できる
投球方向とは反対の力を受け取ることができる
まず、着地足の役割として、「軸足で生み出した推進力をストップさせる」という役割が挙げられます。
この「推進力をストップさせる」という役割は下のイラストのようなイメージを持つと分かりやすいかと思います。
台車が岩にぶつかり、台車に載せてあった荷物が勢いよく飛び出していきます。(岩はその場からずれないものとします)
この時に働いている力は、「台車が岩にぶつかる力」と同時に、「岩が台車を押し返そうとする力」があります。
作用反作用の法則というやつですね。
物体に力を加えると、同じ大きさの力が逆向きにも働くという法則です。
この作用反作用の法則は着地足で推進力をストップさせる際にも同じことが言えます。
勢い良く推進した後、着地足で地面を押してあげることで、足で地面を押したのと同じ大きさの力が地面から跳ね返って来ます。
そして、この投球方向とは逆方向に働く力を貰うことで、上半身を加速させることが出来ます。
※参考ツイート
球速を出す前足の使い方
リリース時に前足をしっかりと伸展することで、地面から反発する力を貰う。
地面から反発した力は投球と逆方向に働き、後方に残っていた上半身、ボールを一気に前へ移動させる。
僕は、より大きな力を貰う為に股関節で「地面を押す」イメージを持つと、指先の走りが良くなった pic.twitter.com/KQEP2Zbc6j— 投げ屋 (@throwhard67) January 30, 2020
さらに、地面から反発する力を投球方向と逆向きに発生させるには、すねの角度が非常に重要です。
すねの角度が90°に近いと地面からの反発は上方向に働き、並進運動を止めるための力が働きません。
一方、すねがセカンド方向へ倒れていると投球方向とは逆向きの力が働き、並進運動を止めることができ、上半身を走らせることが可能になります。
より大きな力を発揮できる
着地足を伸展させるべき2つ目の理由は、「より大きな力を発揮できる」為です。
これは以前、球速アップの為の投球フォームのチェックポイントの記事でも解説しましたが、「膝が伸びている状態」と「膝が曲がっている状態」では、どちらが強い力を発揮できるのか、と考えると分かりやすいかと思います。
これを考える時は、スクワットを思い浮かべると良いと思います。
膝が伸びている状態=スクワットの開始時の姿勢と、膝の曲がった姿勢=パラレルスクワットのボトムポジション(最も低い位置)ではどちらが重い重量を持つことが出来るでしょう。
明らかにスクワット開始時の姿勢=膝が伸びている状態ですよね。
こういった理由からも「地面からより大きな反発を貰う」と考えた時に着地足は伸展させた方が良いと言えると思います。
ピッチャーの下半身の使い方|着地足伸展を取り入れる際の注意点
ここからは、実際に着地足の伸展を取り入れる際に注意しておきたいことを紹介しようと思います。
僕が思う注意点は1つ、
「伸展させるのは着地後ワンテンポ空けてから」
です。
着地足の伸展を投球フォームに取り入れる際によく起きてしまうのが、「伸展のタイミングが早い」ということです。
着地と同時に伸展させてしまったり、リリースよりも早いタイミングで伸展させてしまうことによって、「着地足の股関節に体重が乗らない」「指先が最も加速した状態がリリース前になってしまう」といった問題が出てきます。
これが所謂、「突っ張って投げている」「下半身が使えていない」と言われる原因だと思います。
そこで、「ワンテンポあけてから伸展させる」という意識を持つことで、体重が股関節に乗る時間が生まれ、リリースに合わせて伸展できるようになり、着地足伸展の反動を使って指先を加速させることが出来るようになると思います。
着地足の伸展は単純に「並進運動を止める」というものではなく、リリースに合わせて伸展させ「指先を走らせる」ことが目的ですので、その違いは理解しておくと良いと思います。
ピッチャーの下半身の使い方|着地足で球速を稼ぐ方法まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は「ピッチャーの下半身の使い方|着地足で球速を稼ぐ方法」というテーマで解説させて頂きました。
是非、自分のフォームに取り入れてみて下さい。
また次回は、リリースに合わせて着地足を伸展させる為の具体的な練習方法についての記事を書こうと思いますので、また読みに来て下さると幸いです。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。
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それではまた。