こんにちは、Velo’s blogです。
今回は「ピッチャーに必須の前鋸筋トレーニング|球速アップ&肩痛予防に効果あり?!」というテーマで記事を書いていこうと思います。
前鋸筋の解説から始めるので、「前鋸筋については知っているので、トレーニング方法を知りたい」という方は目次から「おすすめの前鋸筋トレーニング」へ飛ぶことを勧めます。
目次
前鋸筋とは?|ピッチャーに必須の筋肉
はじめに、前鋸筋のトレーニングについて紹介する前に、前鋸筋がどういった機能を持っているのかを解説していきます。
前鋸筋の場所
あまり聞きなれない筋肉なので、場所を理解している人も少ないかと思います。
下の画像からも分かるように、脇腹あたりのギザギザした部分が前鋸筋になります。
【筋シリーズ】前鋸筋
前鋸筋は脇の下、第1〜第8肋骨より肩甲骨内側縁についている筋です。作用は肩甲骨を前に引き寄せます。日常生活ではあまり意識されませんが、ボクシングのパンチなどで威力を発揮します。腕のリーチが必要な時にとても大切な筋肉さんです。#前鋸筋 pic.twitter.com/H6bDYA9Ujp— 【解剖学】合格応援マン (@goukakuouenman) January 19, 2020
パンチ力は前鋸筋らしい。
1日にこんなに前鋸筋って聞く日は後にも先にもなさそう(꒪⌓꒪)#立甲 #前鋸筋 pic.twitter.com/6n0IAtXzDU— BUTANOHANA🌸🐽🐽🐽🌸🍫お菓子とジャンク控えて減量します。 (@1235831459437o) February 8, 2020
機能
前鋸筋の機能は主に、肩甲骨を
- 外転
- 上方回旋
させるといったものがあります。それぞれ、
- 外転は、「前ならえ」をする時のように肩甲骨が前へ出ている状態。
- 上方回旋は手を挙げているときの状態。
となります。
『ダーツスロー時の肩甲骨の動きと、飛びの良し悪しの関係』
ですが、構えで肘を突き出しやや持ち上げますので、多くが外転&上方回旋のコンボ。
リリースに向け腕を伸ばすので更に外転へ。ただね。ダーツはこの肩甲骨の可動がとても小さいの。
飛ばしたいと「柔軟性や使い方」迄は考えなくてOKです pic.twitter.com/JTprMsnpaW— MITSU DARTS (@mitsudarts) February 19, 2020
前鋸筋の使われ方として分かりやすい動画があったので、貼っておきます。
あばら骨に沿うように付いているのが、前鋸筋です。
肩甲骨の外転と前鋸筋の関係② pic.twitter.com/8yY9twfEKa
— MITSU©️ (@m42jp) December 6, 2018
ピッチャーの投球時の前鋸筋の動き
前鋸筋は、投球時にも大きく使われます。
主に、上方回旋と外転の両方の動きが見られます。
Watch how dynamic the scapula upwardly rotates during the throw and then think about how we do wall slides to train it. Maybe we should rethink that.
Also, we get it, @Berticushill mobilizes. pic.twitter.com/QQ88bklvLl
— Kyle Rogers (@KyleRogers18) December 6, 2019
肩甲骨が内転した状態(背中側に寄せられた状態)から上方回旋を伴いながら、外転していることが分かると思います。
こうした機能が正常に働くようにケアやトレーニングしておくことが、怪我の予防には重要になってきます。
また、これらの機能に異常がある状態では、「肩甲骨を上手く動かせない=ボールの加速距離を確保できない」ということにも繋がるので、球速アップも見込めません。
ではここから、前鋸筋を働かせて肩甲骨の上方回旋や外転の動きを強化(再教育)できるようなおすすめトレーニングを紹介していこうと思います。
ピッチャーにおすすめの前鋸筋トレーニング
ウォールスライド
〈球速アップ、怪我予防の為のエクササイズ〉
肩甲骨の外転、上方回旋。
このエクササイズで使われる前鋸筋は肩甲骨を前に押し出す際に使われ、投球時にボールを加速させる為には必須の筋肉正確に前鋸筋を使えるよう丁寧にやり、肩がすくまないように気を付ける。脇の少し下がキツくなってくればOK pic.twitter.com/hZF4oUpb7n
— 投げ屋 (@throwhard67) January 28, 2020
まず1つ目のおすすめはこれです。「ウォールスライド」
負荷も軽く、見た目も地味ですが、実際にやってみると脇腹の上の方に刺激が入るのが分かると思います。
このメニュは負荷が軽いので、肩を痛めがちな選手も取り組めると思います。(痛みがある場合は止めましょう)
- 肘を動かすように
- 肩がすくまないように
- ゆっくりで良い
これらのことに注意して、20回×3セット程、取り組むと良いと思います。
スキャプラプッシュアップ
こちらのトレーニングは通常の腕立て伏せとは異なり、肘の曲げ伸ばしを行いません。
その代わり、肩甲骨を「寄せる→離す→寄せる→離す」というように動かしていきます。
注意点はこのようになります。
- 肘の曲げ伸ばしはほぼ無し
- 肩がすくまないように
- ゆっくりで良い
12回×3セット程できるようになったら、背中に重りを乗せるなどして負荷を挙げていくのも良いと思います。
ディップス
家トレ最強種目。
ディップスとチンニングのスーパーセット風。#家トレを極める pic.twitter.com/UJriPcS0Us— 前沢 力【qoonins#1】@YouTube始めました (@riki_maezawa) April 5, 2020
3つ目に紹介するのが「ディップス」です。
この種目は
より大きな負荷をかけられる
という点が最大のメリットです。
しかし、大きな負荷をかけられるということは肩肘への負担も増えるということなので、肩痛や肘痛など不安のある選手は無理に実施する必要はありません。
また、負荷の高い種目なので「90°以上肘を曲げない」ということを念頭に置いてトレーニングすると良いと思います。
この種目の回数は10回×3セット。
軽々できるようになれば腰から重りをぶら下げ、負荷を挙げていくのも良いでしょう。
ローテーショナルベンチプレス
〈高島誠さん @littlemac0042 ローテーションベンチプレス〉
通常のベンチプレスでは柔軟性が失われたり、連動性が出にくくなるといったことがある。
そこで柔軟性、連動性を出しつつ強化できるトレーニングがこれ。
ダンベルでも代用可能なので、誰でもできます。
やると分かります、投げやすいです pic.twitter.com/rnI1edf1Jb— 投げ屋 (@throwhard67) February 14, 2020
動画では分かりづらいですが、バーベルを挙上する際に外旋の動きを取り入れることで、胸郭や肩甲骨と連動させてトレーニングしています。
※「外旋させながら挙上する」というのは、手のひらを自分側に向けるような動きです。
動画の37秒や2分13秒あたりの動きを見ると分かるかと思います。
このトレーニングの注意点は、動画でも話している通り、
- お腹に力を入れて挙げる
- 首だけにならない
といったところですね。
ローテーショナルベンチプレスについてはこちらの記事でも解説しております。
マルチカールバーは気軽に買えるような値段ではありませんが、費用対効果(胸郭との連動性、球速アップ)を考えればそこまで高い買い物ではないと思います。
是非、ご検討を。
ピッチャーに必須の前鋸筋トレーニングまとめ
いかがだったでしょうか。
今回は4つの前鋸筋トレーニングを紹介しましたが、自分の肩肘の具合などの様子を見ながら、実施するトレーニングをチョイスしていくと良いと思います。
前鋸筋のケアやトレーニングは忘れがちなので、是非意識して取り組んでいってほしいと思います。
Twitter、Instagramもやっているので是非フォローお願いします!
それではまた。
追記:前鋸筋以外の肩甲骨周りのローテーターカフのエクササイズについても記事を書いています。是非お読み下さい。